昨夜、仕事が終わらず、近くの食堂で夕食を取った。大半が中年男性であった。一人でさくさくと食事を取り終えて、早々に立ち去る中で、会話が全くない夫婦に気づいた。よく見ると、胸元で手を盛んに動かす手話による会話を交わしておいでであった。
ふと、気づいたのは、二人が会話を交わすには、眼と眼を見つめなくてはならないことであった。考えてみると、パートナーを見つめ合いながら、会話を楽しむこと事もなくなった。
日本人の習慣として、相手を「まじまじと」見ることを避けがちである。目上と目下という関係性を尊重すればするほど、「目上」を見上げることが禁じられたからである。
食堂の真横のテーブルで、相手を見つめながら、相手の手の動きで会話をする夫婦が、音もなく笑い、音もなく驚き、音もなく落胆する様子に、突然、羨ましく思った。我が前には、パートナーもいずに、一人で黙々と食事を取っているのだから。
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