2010年4月25日日曜日

『象胥紀聞拾遺』は、小田管作の著作

『象胥紀聞拾遺』は、小田管作の著作である。18世紀後半を代表する対馬藩通詞小田幾五郎の子息である小田管作は、父親幾五郎が記した「朝鮮風物録」(小倉進平)であり、通詞マニュアル本である『象胥紀聞』に拾遺を加えたものである。篇目は、「歴世、朝儀、道里」(巻上)、「節序・人物・官制・礼俗」(巻中)、「戸籍・文芸・武備・刑律・度量・服色・飲食・第宅・物産・雑聞」(巻下)の三部構成あるが、諺文に関する記事は「文芸」(巻下)に収録されている。
ただ、その『象胥紀聞』文芸の条には、
  「諺文ハ世宗王ノ御製ニテ真字ヨリ起リ、百六十余字ヲ以通用ヲナシ。又附字ヲ以て助之ト云」
とあるだけで、
 

彼の生涯からして、19世紀初めに成立したと推測したとしても大きな間違いはないだろう。この管作の著述の重要性は、対馬藩通詞が学んだ韓国語基本文字(子音と母音)


「諺文之事
    基 役   尼  隠   池  末  梨  乙   眉  音  非  邑  時  衣  異   凝  


右ニ添ル文字ハ 初声ヲ教ヘ添ル文字ハ 終声ヲ教エ此九文字ヲ母字トス。而シテ???音ヲ同トス、初終ノ音ノ事下ニ審ナリ、右字母ノ訓ヲツクルノノハ皆サイクムナリ。サイクムトハ和訓ト云如ク、俚語ノ事也 末スヘト云、マツノ字トヨム、?ニテクツマル字トヨム。衣ヲ??字とよむ。只初終ノ音をオシヘシタル、借ルモノナリ。

初声ト云ハ基尼池梨眉非時異ノ八音ナリ
終声ト云ハ役隠末乙音邑衣凝ノ8音ナリ

初声ハカリ用テ字ヲナスモ八ヲアグ  ?箕  ?治 ? 皮 ? 之 ?歯 ? 而
  △伊 ?尿 ???????? ノ八文字。lモ初声ナル故コレヲ初声独用ト云。lノ文字終声アルト心得ヘカラス、l ・ の音アルモノハ佳、皆斉ホノ文字ナリ  」

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