先日来、森田芳夫先生編集の『朝鮮終戦の記録』(厳南堂書店)を熟読している。面白い。例によって、「記録の名人」による編集である。無味乾燥の各種データと引揚者オーラルヒストリーの羅列であり、まったくの衒いも華美な化粧もない。あるのは、事実を記録しようとする執念。
京城帝国大学法文学部史学科卒業の森田先生ならではの、史料集。韓国には、歴代の実録があるが、森田先生の願いは、在朝日本人たちの36年間の実録を編纂することにあったのではないか。
それにしても、森田先生の声咳に接する機会が多かった時、戦前の「緑旗連盟」、「国民総力朝鮮連盟」に関するインタビュー出来なかったことが惜しまれる。
そして、「国民総力朝鮮連盟」荻山秀雄氏とも面識があったが、彼のインタビューの機会もなかった。
森田先生の場合、あくまでも沈黙を守っておいでであったからだが、荻山氏の場合、彼の経歴を知らなかったからである。
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